「労務裁判ニュース」 ワタミ過労死自殺裁判 和解成立
居酒屋チェーン「ワタミ」子会社の正社員だった森美菜さん(当時26)が2008年に過労自殺したのは会社側の責任だとして、遺族がワタミや創業者の渡辺美樹参院議員らに損害賠償約1億5千万円を求めた訴訟が平成27年12月8日、東京地裁(吉田徹裁判長)で和解が成立した。ワタミ側が責任を認め約1億3千万円を支払い、謝罪する。社員らの長時間労働防止策も盛り込んだ。
訴状によると、森さんは08年4月にワタミフードサービス(現ワタミ)に入社し、神奈川県内の店舗に配属された。休日もほとんど取れず、連日、午後から深夜や早朝にかけての長時間勤務を強いられ、同年6月に自殺した。残業は月140時間以上で、過重労働が原因で適応障害を発病したとして労災認定された。
本件のポイントは過重労働の責任として会社が責任を問われたのみならず、創業者の渡辺美樹氏も損害倍賠償責任が問われたところにある。結果として渡辺氏も連帯して損害賠償責任を負うこととなったもの。過重労働にかかる損害賠償や刑事責任が問われる事案では、その法人のみならず代表取締役を始めとした、労務管理の責任者も個人として一定の責任が問われる傾向がみられている。
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