令和3年度最低賃金について
令和3年9月
昨年はコロナの影響で全国的にはあまり目立った最低賃金の引き上げはなかった。令和3年度は例年通りの手続きで地域別の最低賃金の見直しが行われ、各都道府県の新しい最低賃金が出そろった。
例年は全国の都道府県をその経済状況に応じてAランク~Dランクに分け、中央最低賃金審議会がそれぞれのランクごとに最低賃金の引き上げ目途を示す流れ。今年度については、ランク分けは行うものの、全てのランクで一律28円の引き上げを求めた。
東京都や神奈川県を始め多くの都道府県で昨年は最低賃金の引き上げを行わなかったことを考えると、「2年分」の引き上げに相当すると考えられ、28円の引き上げにも一定の合理性があるともいえる。
一方、コロナ禍で経営状況が厳しい中、この引き上げには納得できない事業者も多いと考える。
中央最低賃金審議会の答申を受けて、都道府県労働局で最終的な判断が行われて最終決定するのだが、
結果としてこの28円の引き上げよりも低い引上げ幅で決定した都道府県はなく、全ての都道府県で28円もしくはそれを超える引上げ幅となった。
最も大きい上げ幅は島根県の32円、秋田県と大分県が30円、青森・山形・鳥取・佐賀がそれぞれ29円の引き上げとした。
この新しい最低賃金が有効となる発行日については、多くの都道府県で10月1日発行としている。
一部で2日・6日・7日の県があり、最も遅い発行は沖縄県の10月8日。最低賃金を下回る賃金で労働させることは違法になるので、賃金引き上げのタイミングに注意いただきたい。
全国の加重平均
もう一つ注目すべきは、全国の加重平均である。今回の各都道府県によるの引き上げを受けた全国加重平均は930円(902円から28円引き上げ)となった。
首都圏の最低賃金引き上げ
首都圏での令和3年最低賃金は以下の通り。
都道府県 ランク 現状 新最低賃金上げ幅 発行日
東京都 A 1,013円 1,041円 28円 10月1日
埼玉県 A 928円 956円 28円 10月1日
千葉県 A 925円 953円 28円 10月1日
神奈川県 A 1,012円 1,040円 28円 10月1日
群馬県 C 837円 865円 28円 10月2日
栃木県 B 854円 882円 28円 10月1日
茨城県 B 851円 879円 28円 10月1日
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