働き方改革を掘り下げるー③ 賃上げの働きかけ・取引条件の改善・生産性向上支援など
平成30年4月
『働き方改革』を掘り下げる。個別の対応策の掘り下げシリーズの今回は第3弾です。
具体的な対応策は「企業への賃上げの働きかけや取引条件の改善・生産性向上支援など賃上げしやすい環境の整備」です。検討テーマも2番目の検討テーマである、『賃金引上げと労働生産性向上』に移ります。
この検討テーマは『働き方改革実行計画』で示された他の検討テーマと性質を異にし、いわゆるアベノミクスの重要な柱である、賃金引上げを意識したテーマといえる。
そのことを意識して、労働分配率の上昇・総雇用者所得などの具体的なゴールが掲げられている。
具体的な施策
これらのゴール達成のために実際に何をしていくのか?これが実行計画に示されている
① 最低賃金の引き上げ
最低賃金を引続き年率3%を目処に引上げ、全国加重平均が1,000円になることを目指す。
② 最低賃金引上げ支援
上記①の最低賃金引上げを実現できるように助成制度を拡充する。具体的には業務改善助成金の拡充である。この助成金は事業場内の最低賃金を引上げた場合に、その引き上げ幅に応じて30円~120円の5段階での助成が受けられるもの。
生産性の向上のために行なった設備投資等に対して一定の金額が助成される仕組み。
業務改善助成金の内容については厚生労働省業務改善助成金のサイトをご確認下さい。こちらをクリック
③ 「生産性要件」による後押し
キャリアアップ助成金や前述の業務改善助成金を始めとする雇用関係助成金に『生産性要件』の概念を導入する。生産性要件を満たせば支給される助成金の額が多くなる仕組み。
④ 人事評価制度・賃金制度の整備にかかる助成金制度の創設
人事評価改善助成金を創設する。この助成金は人事評価制度及び賃金制度を導入・改善することで、生産性向上・賃金アップ・離職率の低下を図る事業主に支給するもの。あらかじめ人事評価制度など整備計画の認定を受け、その認定に則って制度を整備・実施した場合に助成金が支給される。また、生産性の向上・賃金の増加・離職率の低下目標達成等の実績に応じて追加の助成金が支給される仕組み。
詳細は厚生労働省のリーフレットをご参照下さい こちらをクリック
⑤ 下請け企業の取引改善
下請けの中小企業の取引を改善するために下請法の運用基準を改定し、下請け代金の支払いに関する通達を見直した。これらの改定・見直しを周知徹底。同時に下請け調査員による調査によるフォローを行なう。
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